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 ←ファイナルの前に →Little lovers~epilogue
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韓流ドラマベートーベンウイルスSS

Little lovers(Final)

 ←ファイナルの前に →Little lovers~epilogue
一時的に強く降り注いだ雨の粒が嘘のように、晴天の空では青空が雲を除けるような雲の動きが忙しく繰り広げられていた。
乾燥した空気と、にわかに強く降り注ぎはじめた雨上がりのあとの強い陽射しが、ベンチの表面に降りた雨を瞬く間に乾かしていった。
トヤマに肩を抱かれ、ベンチに腰をおろし直したパオラは細かく震えていた。
パオラは斜め上から続きをうながす視線を見て、声を出そうと喉もとから苦しそうな息を漏らすが、声が出てこない。
「急にどうした…?」

引き締まった端整な顔に懸念の色を隠さず覗き込む、トヤマの低い声がパオラに伝わる。
「・・・・・私のせいよ、、、、」
必死に感情を押し殺した小さな掠れ声で応え、あとは言葉にならなかった。
パオラはトヤマの胸に顔を埋め、声を出さずに肩を震わせて泣いた… ときおりパオラがしゃくりあげる際の喉もとが裂けるように震える音と生温かい涙が、訳もなくトヤマの胸に哀しく響いた。
「パオラ、、話せるか?」
パオラの呼吸が落ち着くまで、何も言わずに、ただ背中をさすっていたトヤマは内心の狼狽(うろた)えを隠し、落ち着いた声をかける。
「私が……バイオレットを預けっぱなしにして自分の事ばっかり考えてたから・・・
きっと、大切な家族なのにバイオレットのことをおろそかにしていた罰があたったのよ。
ごめんなさい…直ぐにミュンヘンに帰れる?バイオレットのところにいかなくちゃ。」
トヤマはパオラの話す夫人のメールの内容を途中で遮り、目に力を込めて頷くとパオラの腰に手をまわして立ち上がらせる。


五年前…彼の家に居ついていた白い猫を、トヤマは偶然道端で見かけた事がある。
あれは半年前か…それとも、もっと前の事か、、、記憶は定かではない。
ウイーンの自宅にむかう道の途中、小さなモニュメントがある。
モニュメントの下の植え込みで酷く衰弱してうずくまっていた仔猫が「彼女」だった。
トヤマはやせ細り、力なく彼を見て泣く小さな仔猫を見るにみかねて手のひらに「彼女」をのせて自宅に連れ帰ったのだった。
餌をやり、元気になったら好きなところへ行くといい……トヤマは思っていた。しかし、猫はどこにも行こうとはしなかった。
綺麗なソプラノで鳴き 気紛れに彼の膝で眠る「彼女」にトヤマは愛着する事を怖れた。
外に出たがって窓の前に座り鳴き続けたある晩、いつものように闇に紛れるようにしなやかな身体を窓の隙間にくぐらせた時、自分に湧いた感情に驚いて、左胸を押さえた夜…それ以降「彼女」が戻ってくることは無かった。
時々 不意に家から姿を消しては、また戻ってくる「彼女」との生活が終わるまで名前をつけることが無かったのは、それが理由だった。

ずいぶんくたびれ汚れていたが、見かけのある革の赤い首輪をした白い猫は手のひらに乗るほどの小さな仔猫を必死に舐め続けていた。三ヶ月足らず我が家に居ついていた猫は、ピクリとも動かない小さな身体を それでも愛おしんでいた・・・
彼女の腹では元気な三匹の仔猫が勢いよく乳を吸っていて、動かぬ仔猫との運命の違いを思い、鼻の奥が痛くなった。
あの時…トヤマは目尻ににじんできたモノの理由に戸惑いながら、目の前の親子から目を逸らしてしまったーーー
あれから、あの白い猫はどんな人生を過ごしているのだろうか・・・
記憶の隅に葬ったはずの湿っぽい追憶が、トヤマの裡をよぎった。
この世に産まれた命すべてに意味がある… それがどんなに儚く短いものであったとしても・・・
虹のようにつかの間であったとしても…この世で愛された記憶を授けてやらなければならない。
今は確信をもって、、、思える。
名もなく、、この世から消えたあの仔猫に対する呵責の念が己を揺るがしているだけではない。
幼い自分が愛された記憶が、我が身の奥底に眠っている事… そんな世間では当たり前の事がしみじみと心に沁み入っていった。
亡くなる数日前…祖母の語った言葉が不意に脳裏に蘇り、トヤマは瞬く間に15の自分に戻ってしまう。
【貴方はいい子ね…出来すぎるほど出来た子どものまま、大人になってしまいそう。
収拾のつかない気持ちに折り合いを付ける方法がすべて諦めでは、人生の醍醐味は味わえないものよ。
ひとついい事を教えてあげる。
覚えておきなさい、大人になったら必ず役に立つから。
いつか…貴方が誰かと幸せな家庭を築く事を切望してやまない時がきたら、それを今までの自分の生き方を否定する事と考えては駄目よ。
貴方に対する関わりの色でも所有欲でもない、確たる形のない色やモノを濁りなく映す優しい無防備な瞳を持つ人に 、あなたはいつか 必ず出逢えるわ。
眺めてることは出来ても触れる事のできないものに感じて、初めは腰がひけるかもしれないけれど、逃げないで正面から見つめてごらんなさい。
大丈夫…貴方には幸せになる資格があるから・・・】

「パオラ、、急ぐぞ‼ 」
トヤマは己を励ますように、パオラに向かって声を張ると彼女の手をとった。




「本当に良かった……パオラにメールした時はどうしようかと思ったわ。」
アッカーマン夫人は氷を入れたグラスに炭酸水を注いでライムの薄切りを置き、向かい合って座るパオラとトヤマにすすめると微笑みかけた。
「バイオレットは難産のせいで弱り切ってるし、細く息をしている仔猫が動かないのを見た時は心臓がバクバクしちゃって。
青い顔したパオラが連れてきた素敵な紳士の顔は見る余裕無かったわね。」


バイオレットの出産から10日経ち、バイオレットは最初のうちの神経質さはかなり和らいできたようである。
静かなリビングルームの際奥に バイオレットと四匹の仔猫たちはいた。
まだまだ毛の薄い仔猫たちだが、見たところルカとよく似た短毛の黒毛、同じく短毛だが白い毛に碧い瞳の仔、白い毛の長毛種らしい ゴールドと海のような碧(あお)の両親の瞳の色を受け継いだ仔が一匹づついる。

そのうち一匹…碧い瞳をした長毛の仔は、ひときわ小柄で甘えん坊、動きもゆっくりである。
バイオレットは母親になっても生来のマイペースぶりで、眠たくなれば、腹を仔猫達に横向きに向けたまま眠ってしまい、お腹が空けば餌を食べに立って行く。
仔猫たちはその度小さな身体をバタつかせていた。
見ている方はハラハラするがバイオレットはそのたび、「どうしたの?」と言わんばかりのあっさりした様子で碧い瞳を夫人に向ける。
マイペースな「妻」バイオレットに比べると、ルカは落ち着きなく動き回り始めた我が子を口に咥えて、バイオレットのかたわらに戻したり、毛づくろいするように舐めてやったりと、なにくれとなく世話を焼く良きパパぶりである。
「…ごめんなさい、、おばさま。
なにからなにまで…お世話になりっぱなしね、私。
弱り切ってる仔猫を見て泣いてるだけの私を、おばさまやトヤマさんがずっと励ましてくれてた。」

「いいえ…私なんか全然駄目よ、いざという時は慌てるばかりで。
あの時、 エテルナを手にのせて『頑張れ…生きるんだ!』ってトヤマさんがあの仔猫に話しかけてくれたから、今 あの仔は生きてるのかもしれないって思うの。
仔猫にもトヤマさんの気迫が通じたのかもしれないわね。
私は細い息をしてるエテルナを見て、悪いことしか考えられなくなってた。
バイオレットがエテルナを他の仔と同じように扱うと、ダメ、、死んじゃうと思ってドキドキしながらも、ただ見つめているだけで身体は凍りついたみたいに まるっきり動かなかったわ。」

寝床から脱走した…ひときわ小さな仔猫を咥えているルカのどっしりした姿がテーブルの横を横切るのを目の端に映しながら、夫人は応える・・・

夫人とパオラの会話を黙って聞いているトヤマは、あの日の翌々日仕事のためにロンドンに向かい昨日ミュンヘンに"戻ってきた"ばかりである。
パオラは身体を左にひねり、かたわらに座るトヤマの形のいい鼻の稜線を眺めながら、ずっと考えていた問いを口にする。
「でも…ヒデ。どうしてあの時エテルナに名前をつけよう、、なんて言ったの?
生きるか死ぬかの時に、真っ先に名前をつけるのに意味があるのかな…って私は思ってたの。」
トヤマは口のまわりをしわ寄せてパオラに微笑みかけると、夫人に視線を向けたあとゆっくりとしたドイツ語で話し始めた。
「ETERUNA…イタリア語で無限、永遠を指す。
俺はこの仔の生命に意味を与えてやりたかった。どんなに短い人生だろうが、この世に産まれ愛された記憶をこの仔に与えてやりたかった。
だから…ETERUNAという名で、小さな雌の仔猫を呼んだんだ。
エテルナの記憶に俺たちが残らなくてもいい。
俺はエテルナに、どんなに短い時間でもいい、自分が誰かに必要とされ、無限の愛を受けていると感じさせてやりたかった…」

*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*

『そばにいるからね… 』
パオラの声に小さな仔猫の耳が小さく動いた。
未だ開いていない瞳の筈なのに、濡れたような大きな瞳が、パオラとトヤマを見ているような気がした・・・
かすかに動いている腹が唯一この仔の生きている証のようだったーーー

『会わなければ良かったのかな… 』


『いや、会えて良かったんだ。俺たちはこの仔に会うべくして会ったのだから。
この仔は必ず生きる、君が生きると信じないでどうする?
俺を信じろ、、皆でこの仔の強さを信じよう。』

弱々しく零したパオラに言うと、トヤマは名無しの仔猫を優しい手付きで左手にのせた。
仔猫を見て微笑みかけると、人差し指で愛おしげに背中を撫でた。
彼に応えたのか… にゃ~と産まれて初めて小さく声を上げた"名無し"に驚くこともなく、飄々と仮の名前を付けよう…とトヤマは誰に言うでもなく口にしていたーーー

「二人には言っておかないといけないわね……」

夫人はトヤマとパオラそれぞれにゆったりと視線を向けて小さく息を吐く。
「あの一番のおチビちゃんは心臓に欠陥をもってるかもしれないって。
だから産まれたあと呼吸が弱り切ってたのかもしれないそうよ。
精密検査をしないと仔細は分からないらしいの。
ただ心音を聴くと異常があるのは明らかだそうよ……
もちろん、もう少し大きくなったら手術は可能だけど手術が成功するのは100%ではないし、お金も人間の手術以上にかかるそうなの。
どうするかを決めるのは私たち…まだ時間はあるから考えておいてね。」

息を飲んで碧い瞳をみはるパオラの肩に、さりげなく置かれたトヤマの手を夫人はチラと眺めて満足そうに顎を小さく引く。
「よかったわ、、、パオラを支えてくれる人がいて。
この娘は強そうにみえるけれど、本当は傷つきやすくて人並み以上の怖がり屋さんなの。
強がりだから他人の前では涙を流すのは珍しいのよ。
頑固なところはバイオレットと同じ。
私はパオラと知り合ってから三年になるけど、素直に素を晒すのを見たのは最近よ。
トヤマさん…あなた日本人でしょ?
日本女性は男性に従順だと聞くけれど、この娘はそうはいかないわよ~ 」

「……おばさまったら、、、」
顔を伏せてつぶやいたパオラを、トヤマは歳上の男性らしい余裕をたたえた視線でつつみ、夫人と向き直った。
「僕は、、、、 」
瞬きをし考えるように数秒視線を宙に向けたトヤマに、パオラと夫人の視線が注がれたーーー

「僕はパオラを大切に想っています。

うまく言えませんが……
彼女が笑うと嬉しい、、、僕はパオラの笑顔をずっと見ていたいです。」
トヤマは夫人に向き直ると今度は早口のドイツ語で話した。
パオラと夫人に照れ臭そうに邪気のない少年のような笑顔をむけてから、機敏な仕草で席を立ち夫人のアップライトピアノの前に来ると漆黒の肌をピアニストらしい大きな手で撫で、愛おしい人に触れるような慎重さで「彼女の」蓋を開けて彼の友である鍵盤を答えをさがすように見つめるーーー
「どうぞ、、お使いになって。
私の三十年来の相方なの、気難しくはないわよ…私と同じ。」

【今からあなた方は一番大切にしている人に向けて演奏してください…】
いつものように…演奏の前に鍵盤を前に祈るように目を閉じると、彼の裡でマエストロ・カンの怜悧な物言いにそぐわない、通俗的な甘い台詞が厳しさをたたえた声音と共にこだまするーーー



リビングには、トヤマの弾く…グリーグの抒情小曲集が穏やかに満ちていった。
トヤマが鍵盤から目を上げ、浅く腰掛けた椅子のかたわらに感じた気配の方を向くと、、、ルカが彼を見上げてにゃーっと太く鳴いた。
パオラと夫人はソファーで健やかな寝息を立てており、バイオレットと子供たちの寄り添って眠る息の音が静かなリビングルームに微かに聴こえた。

木陰よ 緑映ゆる
美(うる)わしき木陰よ 木陰よ
風も薫る 美(うる)わしき木陰よ
我を招く木陰よ
やさし 楽し 我が心の
永久(とわ)なる安らぎ

祖母の好きだった、ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」を口ずさむトヤマの顔からはすべての屈託が払しょくされていた。
パオラに聞かせたら、、また、
「音感と歌唱力は一致しないのね」と言われてしまうのだろうな・・・
トヤマがパオラと夫人の寄りかかって眠る姿に穏やかに笑んだあと、バイオレットたちをちらりと見遣った途端 、一転して彼の精悍な面差しからは緩みが消えた。
決意の色が、彼のエキゾチックな眼差しと引き結んだ唇に強く表れていたーーー






カン・マエはアメリカツアーの出立を明日に控えた今日も、首席としての仕事に忙殺された。
長年の習慣でツアー前の荷作りは数日かけて自分で済ませてある。
むしろ、ルミの方が、
「荷物は最低限に…」と命じられて 考えこんでは荷物を出したり入れたりと、迷いに迷い時間を喰った。
「荷物はまとめたのか?」
遅い夕食のあとシャワーを浴びたカン・マエは寝室のドアを閉めながら先にベッドに入っていたルミに声をかけた。

「……… 」
「ルミ‼ 」
「先生… いくら私でも、先生のよく響く通りのいい声は聴こえますよ!
ほーんと聴きやすい声!世の中の人がみんな先生みたいな声をしてたら私も苦労しないんだけどな。」
「お前、直ぐに返事をしないでおいて、その言い草か?
だいたい"聴きやすい声"とはなんだ?曖昧な言い方をするな。」

本当は…自分を呼ぶ先生の声を聴いていたかっただけ、、、、
ルミのかたわらに身体をすべらせながら、咎めるように言う恋人の声が近づいてくる幸福感に彼女は微笑みを浮かべる。

「だからーー先生の声は特別なんです。前にも言ったでしょ!他の音がボヤける日でも、先生の声だけはよく聴こえるの。荷物は完ぺきよ!減らす方がずーっと難しいわね。
ところで先生?
アメリカツアーのついでに、アメリカに連れて行ってくれて嬉しいけど、私はいつ韓国に戻ればいいの?
先生帰国については、なーんにも言わないんだもん。先生の都合もあるでしょ?お仕事の邪魔しちゃ申し訳ないし・・・」
「ーーーお前はどうしたい?」
「また~ 先生の質問返し。
私の勝手で決められないでしょ?」

ルミは可笑しくもなさそうに低く応えると、形ばかりの苦笑を薄い唇に浮かべた歳上の恋人の端正な面差しをうかがう。
筋の通らないことを嫌い馬鹿騒ぎなど論外、趣味は読書と指揮者としての仕事上の鍛錬のためのジム通い。
その冷徹さからクラシック界では人格破綻者的なニュアンスで扱われている彼だが、ことルミに対しては神経質なところはまるでない。
むしろ、ほとんどの事を好きにさせてくれる鷹揚な恋人だ。
「先生はどうしたいんですか?
帰国日未定なんて旅、した事ないからドキドキしちゃう。」
帰らないでいい…ずっと私の側にいろ・・・
口に出来ない本音がカン・マエの胸中にやる方ない苦味をもたらしている事に、もちろんルミは気付いていない。
「そう言えば、先生!
隣のアッカーマン夫人の家で仔猫が産まれたのよ。
ほら、、いつか先生とも見たでしょ?隣の玄関先の植え込みで遊んでた…黒猫と綺麗なラグドールのカップル。
あの子たちの赤ちゃんよ。
短い尻尾をした黒い短毛の男の子、白にチョコレートの毛色がまざった女の子、黒と白の毛色がまざったラグドールの女の子と……」

「… せんせ、い? 」
カン・マエの大きな手がルミの頬をつつみこみ、彼にしてはひどくせっかちに噛み付くように唇を重ねてきた。
「まっ、、て先生」

「話しは後だ、、、」
カン・マエはルミの首すじに唇を這わせながら囁く。
ルミの、、荒い息と頷きに応え、
パジャマの胸元に手をかけてきたカン・マエにルミは全身の力を抜き彼に身を任せたのだったーー


事のあとの身体の芯の気だるさを覚え、放心していたカン・マエの背中に、ルミは彼の両わきから両手をまわし甘えるように背中に頬をあてた・・・

「どうした……ルミ。」
「先生と離れたくない… ずっと、ずーっと一緒にいたい。」
「変な奴だな……」
カン・マエはのど元でつぶやくと腕を後ろに向けて身をよじり、ルミに向き直る。
眠そうな顔に笑みを浮かべている恋人の、彼が毎日、、どれだけ愛しても飽きる事のない身体は、初めて肌を合わせた時より いっそう美しく熟していた。
甘い蜜が滴るような肌理の細かい真白の肌の眩しさに、彼は目を細める。
「なにを考えてるのか知らないが…

俺には今のところ、お前以外に深く付き合いのある人間はいない。
言っただろう?どんなに離れていてもお前がここにいると。」
カン・マエが胸にあてた大ぶりな手の上に、ルミはひとまわり小さい手を重ねて微笑んだ。

自分たちが いつ…どうなるのか、、、
それはカン・マエにもルミにも分からない。
時の流れに身を任せているうちに、行き着く先のおぼろげな輪郭はみえてくるだろうーーー

カン・マエはルミを軽く抱きしめてやってから、唇を近づけていく。
今度は優しく…愛おしむように。
ルミの桜色の唇は柔らかく彼を受け入れた。
全身が蕩けていってしまいそうな口づけを交わしながら、カン・マエは想う・・・
俺が欲しいのは、、、ルミお前の身体だけではない。心だーーー

長い口づけのあと…カン・マエとルミは目と目を見交わして微笑みあったのだったーーー
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~ Comment ~

エテルナ

エテルナ・・・とっても素敵な名前ですね。トヤマのいろいろな思いが込められているのですね。「生命に意味を与える。」トヤマの言葉が心に沁みました。

Re: エテルナ

> エテルナ・・・とっても素敵な名前ですね。トヤマのいろいろな思いが込められているのですね。「生命に意味を与える。」トヤマの言葉が心に沁みました。

素敵な名前と言っていただいて嬉しいです!
トヤマは簡単に「永遠」など信じられない男性。
だけれど、パオラと出逢い…小さな命の奇蹟に触れて、つかの間でも幻でもいい信じることを願ったのでしょう。
信じることは、彼にとっては怖れであり未体験のトライアルでもあります。
でも…それを繰り返しているうちに、、きっと…きっと永遠を少しづつ信じられるようになって欲しいな。と願いつつエテルナにまつわるくだりは書きました。

お話を書く時は、
登場人物に、幸せになってほしい、と思いながら書いてます。
今回もそうです。
管理者のみ表示。 | 現在非公開コメン卜投稿不可です。

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